歯科遠隔医療オフィシャルブログ

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HAM(HTLV-1関連脊髄症)患者、難病患者に遠隔医療ができること

昨日の『遠隔医療をとことん考える会』では、HAM(HTLV-1関連脊髄症)を長年研究、治療されている聖マリアンナ医科大学の山野教授から、HAMの症状や病態、また日本に3000人という希少疾患であることによる問題点についてお話いただきました。

希少な疾患であることから、専門医が少なく、診断されるまでに平均7年?だとか。口腔顔面痛の診断がくだるのは平均3から4年と言われていますので、随分長い(どちらも長い)。さらに診断されたとしても、治療法が確立されていない上に、治療をやったことがない医師ばかりだそうです。

同じように、口腔顔面痛の検査や治療法は確立されていませんし、適当な(いい加減な)治療をされて痛みが複雑化して、こじれまくっている患者さんがたくさんいることを考えると、慢性疼痛のマネジメントや研究にも参考になるお話ばかりでした。

 

山野教授はHAM患者さんのレジストリ(登録サイト)である"HAMネット"を立ち上げ、登録された患者さんの症状や治療成績、予後を客観的に、前向きにデータをとって臨床に還元されています。

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http://hamtsp-net.com/index.html

しかしながら、アメリカやヨーロッパなどの先進国ではほとんどHAM患者がいないことから、臨床研究や治験が遅れており、まだまだ課題は山積みとのことです。

 

さて、

遠隔医療は何をするのかというと、

例えば、30分に1回尿意を催して、トイレに行ってもおしっこは出ない。夜間眠れない上に、いつ尿意が襲ってくるかと不安で外出できない患者さんや、

また、下肢に痛みがあり歩けない。"剣山の上を歩いている"ようだと表現されていましたが、

そんなHAM患者に限らず、このような症状で通院が難しい患者さんのために遠隔医療があるんだと思っています。遠隔で診察して薬も郵送できる。

 

会の最後に、『遠隔医療をとことん考える会』代表の大木さんから、「HAMだけでなく、難病を患った患者同士がしっかり繋がって、医師や国を動かす力になるように頑張りましょう」とコメントしてくださいました。

 

身体の自由がきかなくなるHAMのような疾患患者、さらに専門医が少ない希少な難病患者へより良いマネジメントをするために、遠隔医療の発展は不可欠です。

私にできることがありそうですし、新しいアイデアがたくさん湧いてきたので全部やってみます。


プロフィール
長縄拓哉(ながなわたくや)

初期研修医時代から東京女子医科大学病院、歯科口腔外科学講座で口腔腫瘍、顎顔面外傷、口腔感染症治療に従事しそれぞれ認定医資格を取得。デンマーク・オーフス大学に留学し口腔顔面領域の難治性疼痛について研究。口腔顔面領域の感覚検査器を開発し、国際歯科研究学会議(IADR2015, ボストン)ニューロサイエンスアワードを受賞。2015年に東京女子医科大学病院に口腔顔面痛み外来を開設。統括医師として難治性疼痛患者の治療を行っている。文部科学省科研費を獲得。Neurotalk2017(スペイン)シンポジスト。医学博士。株式会社メドレー仲介型販売取次店。日本口腔顔面痛学会評議員。日本口腔内科学会代議員。